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2006/05/10

【香港】幻の宋代楽器「官琴」が30日オークションに

香港佳士得(香港クリスティーズ)は8日、北宋時代(960-1127)に製作された「古琴」が30日に開かれるオークションに出品されることを明らかにした。古琴は孔子や李白に愛されたことでも知られる楽器で、高値を呼ぶことが予想されている。中国新聞社が伝えた。 30日のオークションに出品される古琴は「虞廷清韻」と呼ばれる楽器(写真)で、北宋時代の作。宮廷の定めに従って製作された「官琴」と呼ばれる種類に属する。 古琴は日本の「お琴」とは異なり、7本の弦を持ち琴柱を持たない楽器だ。もともとは「琴(チン・きん)」と呼ばれたが、現在では「古琴」と呼ばれることも多い。紀元前から文人(知識人)に愛されてきたという歴史があり、「論語」や漢詩などの文学作品にもたびたび登場。中国の民族楽器の中でも別格的な存在とされている。 日本には遣唐使などによりもたらされ、源氏物語でも取り上げられたが、その後衰えた。また、江戸時代には儒学の興隆とともに武士を中心に古琴を学ぶ人も増えたが、中国と同様の地位を獲得するには至らなかった。 古い時代に作られた古琴は、1980年代ごろから台湾、香港、その他の海外華僑の間で人気を呼び、高値で取引されるケースが増えた。2003年には、唐代の古琴「大聖遺音」が中国大陸のオークションに出品され、891万元(06年5月9日のレートで約1億2400万円)で落札されている。 30日のオークションに出品される「虞廷清韻」は「大聖遺音」に比べてやや新しい楽器ということになるが、「官琴」としては最も初期のものだということで、高値がつくことが予想される。(編集担当:如月隼人)

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